〜子どもと共に園庭づくり〜
2025年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さてさて最近では、「子どもと一緒に、園庭を変えていこう」とされる園さんが増えており、嬉しい限りです。
東京都にあります江東区立豊洲幼稚園さんでは、2年かけて、先生方で園庭について話し合い、そして、子どもたちと一緒に園庭づくりに取り組んで来られました。
私はその間、半年に一度ほど園へうかがい、園庭の様子を拝見しつつ、先生方からのご質問へお答えしたり、や助言させていただいたりしてきました。
豊洲幼稚園さんでは、「なんでもやってみようとする幼児」を育むことを大テーマに、園庭を、
①自ら関わりたくなる環境
②自分たちで作っていける環境
となるよう、取り組んでこられました。
都心の園さんなので、園庭の面積や形状には制約がありますが、位置を工夫しながら、
・築山
・ビオトープの池(※ビオトープ=生き物が生息するための場所・空間。Bios(生物)+Topes(場所))
を作っていかれました。
写真の矢印が、築山(右)、ビオトープ池(左。らせん階段周り)です。
築山↓ 造園屋さんに土を入れてもらい、子ども達と先生、保護者さんとで山を作っていかれました。
子ども達にとって、トラックから土がガサーっと落とされる様子は印象的だったようです。
ビオトープ池↓ 子ども達とコツコツ掘って池を作られました。
防水シートから水が漏れてしまう問題が起きましたが、子ども達と再チャレンジされ、池ができました。
ここから少しずつ、ビニールシート部分を土嚢で多い、周囲の植栽を増やしていかれる予定です。
築山とビオトープ池を作られる過程では、子どもと先生とでたくさん話し合ったり、試行錯誤を重ねてこられました。
そうした中で、生き物のことを考えてアイディアが生まれたり、土を掘る中で石や貝殻、恐竜の骨?!などの出会いから発掘隊が発足したりと、色々な物語や探索が生まれて行ったそうです。
そして、築山とビオトープ池を作ってみると、子ども達にも、保護者さん達にも変化が。
子ども達は、「自分たちが作った池」という感覚から、池の中の生き物たちの暮らしに興味を持って、「どうしているかな?(池の環境を)もっとこうしたら良いかも!」と、園庭を遊んでいる中でもちょいちょい立ち寄って、眺めたり話したりしているそうです。
保護者さんも、送迎にいらした際には、池の周りで立ち話をしたり眺める姿が増えたそうです。
築山では、中に積んだ土嚢が表出してきたので、子どもから「土をもっと、トラックで運んで欲しい」と副園長先生にお願いしに行き、「もしトラックが来れないなら教えてね」と言ったそうです。
「子ども達にとって、園庭環境が自分事になっていっている」と先生は感じられたそうです。
江東区立なでしこ幼稚園さんからも、子ども達と一緒に、畑を作るために築山お引っ越しをされる姿が、年賀状で届き、嬉しく拝見しました。^^
あなたの園でも、子ども達と一緒に園庭を考え、育てていってみませんか?
サポートをご希望の場合は、いつでもご連絡ください。
2025.1.6
園庭研究所 石田佳織
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※ 園内研修や団体研修、園内研究支援など、いつでもお受けしています。ご希望の内容や方法に沿って構成いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
園庭研究所HP:https://enteiken.com/
これまでの園庭研ブログ記事(2012~2022)→ 心と体と学びとはぐくむ園庭づくり
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