人の体にとって健やかな環境を

〜人の体にとって健やかな環境を〜

前記事の大地の再生ワークショプの現場を提供して下さいました、きたの保育園さん(滋賀県)。
(大地の再生ワークショプについては、前記事をご覧ください)

園庭がとても素敵なのでご紹介したいと思います。

地域の在来種の樹木や果樹など様々な種類が、背の高い木から子どもの背くらいの木までさまざまな高さで、多く取り入れられています。

地表面には芝や野の草花。

合わせて、小山がいくつも連なって在ります。

小山自体もいろんな高さと広さで構成され、小山と小山の間には小径が通っていたり、山自体に登れる場所があったり。

色々な園の先生とお話する中で、「最近斜面を走れない子が増えている」といったご年配の先生からの心配の声を、少なからずうかがいます。

現代の住環境や地域環境は、実に平らになってきています。

車や自転車など機械が動くには平な地面は便利だけれど、人の体にとってはどうなのでしょう?

これは子どもにとってだけでなく、おそらく大人にとっても同じだと思います。

人の体は常に、外界から刺激を受けて、調整して/育てていきます。

いくつかの先行研究でも示唆されていますが、地面の環境は、人のバランス感覚や脚力、体幹に大きく関わっているのではないかと思います。

ただ、心配の声と共に、「地面に抑揚のある園庭で過ごす中で、数ヶ月もすれば子どもたちは自由自在に斜面を走り回れるようになる」といった声もうかがいます。^^

環境を整えていくことの大切さを痛感する、お話です。

人が暮らす地面の環境。今一度再考していきたいですね。

この地面の抑揚と、体のバランス感覚や脚力の育ちと同じく…。

身を上手にこなしながら通り抜ける細い道があったり、自分だけや仲間との隠れ家のような場所があったり、五感へ日々刻々と変化し五感をくすぐってくれる草木があったり、そこへ訪れる虫や鳥がいたり…。

こうした環境も、私たち人の体を調整していくのに、欠かせない存在ではないかと思います。

こうした人の体にとって大切な環境が、きたの保育園さんには詰まっているんですね。^^

子どもたちが五感で楽しめる植物や、在来種の大切さについては、こちらでご紹介していますので、よろしければ。^^ →地域の造園屋さんとつながろう! 地域環境の理解

園庭研究所 石田佳織

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これまでの園庭研ブログ記事(2012~2022):心と体と学びとはぐくむ園庭づくり