~庭と建物の協働~
園舎を新築や改築される園さん、検討されている園さんもいらっしゃるかと思います。
建物を作られる際は是非、園庭(庭)と一緒に考えていただければと思います。
というのも、園舎と園庭(建物と庭)を合わせて考えるかどうかで、園庭(庭)が楽しみやすくなったり、室内もより心地良くなったりするからです。
例えば、敷地のどこに園舎と園庭を配置するのか?
・東西南北のうち、どこに何を配置する?
・園舎と園庭は並行させるか?園庭で園舎を、もしくは園舎で園庭を囲うのか?
・園舎は一つ大きな形なのか、いくつかに分けるのか?分けるなら園庭はどう入れ込んでいくのか?
・職員の部屋は園庭を見えるようにするのか?その位置は?
・玄関先に送迎保護者さんたちが交流できる小庭をつくるのか?その周辺の建物(入り口)のつくりはどうするのか?
などなど、建物と庭の位置関係によっても、子どもたちや職員、保護者さんたちの暮らしは変わってきます。
園舎の脇や裏空間も子どもたちの遊び空間として活かすように作られています。
園舎の真ん中に広い半屋外空間が作られ、外の風や音を感じながら、ごはんやおやつを食べたり、 創作など止まって遊んだりされています。
そして、各部屋と園庭との繋げ方も重要です。
・各部屋から庭が見えたり、直接出られるようにするのか?
・各部屋と園庭の間に、縁側やデッキのような半屋外空間をつくるのか?そこで子どもがどんな活動をし、そのための広さ(奥行き)はどれくらいか?
・園庭に面する各部屋に応じて、園庭の環境はどのようにするのか?
窓からの景色はどのようか?子どもたちにどんな経験をしてほしいか?(職員用の部屋からも)
植栽が保育室そばにあると、四季折々にその変化を感じやすくなります。
夏場には建物そばで木陰を作り、室内に涼しい風を入れてくれたり。
室内から植物が見えることによるストレス緩和効果(緑の療法的効果)も様々な研究により示されています。
エアコンなどの住宅設備に頼らず、できるだけ太陽の光や自然風などの自然エネルギーを利用して快適な家づくりを目指すという設計思想・設計手法のことを「パッシブデザイン」については、前記事でもご紹介しています。→ 暑さ対策:植物を活かして、快適な暮らしの空間を!
園庭研究所 石田佳織
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これまでの園庭研ブログ記事(2012~2022):心と体と学びとはぐくむ園庭づくり