〜多様な生き物が暮らす場所を〜
前記事「生き物の多様性が保たれた社会へ」「ネイチャーポジティブな保育・園へ」の続きです。
私たちの暮らしを支える自然環境が劣化する中、2050年ビジョンとしての「自然と共生する世界(Living in Harmony with Nature)」や、2030年の「ネイチャーポジティブ(自然再興)」の実現に向けていくことが、日本を含め世界の様々な国で採択されました。(詳細は前記事をご覧ください)
「ネイチャーポジティブ(自然再興)」に際して、
2030年までに陸と海の30%以上を保全することが、目標として提唱されました。
これが「30 by 30」です。
日本での現状は、陸域20.5%と海域13.3%が保護地域として保全されている状態です。
これを2030年までに30%まで高めるんですね。^^
こうした保護地域として国や地方自治体に指定された自然地に加えて、
「保護地域以外で、生物多様性保全に資する地域(OECM*)の設定・管理」
を行い、「30 by 30」を実現していくこととなりました。
*OECM(Other Effective area-based Conservation Measures)
このOECMの設定・管理として、企業・団体・個人・自治体の所有地等を、環境省が「自然共生サイト」として認定し、30%に組み込んでいくことになりました。
(参照:環境省. 自然共生サイト(OECM)webサイト)
画像は、環境省自然環境局自然環境計画課(2022). 自然共生サイト(仮称)認定に関する検討状況webページより。
「自然共生サイト」の対象となるのは、
・生物多様性の価値を有し、
・事業者、民間団体・個人、地方公共団体による様々な取組みによって、
(本来の目的に関わらず)生物多様性の保全が図られている区域、とのこと。
こうした流れの中、なんと、園庭も、国内で1園が自然共生サイト(OECM)に認定されたんです!!!
認定されたのは、つくば市の「つくばこどもの森保育園」さん。
こちらの認定については、ウェブマガジン「NEWSつくば」でも取り上げられています。園の取り組み概要や園長先生のお話もご覧いただけます。
つくばこどもの森保育園さんへは、視察を相談中なので、実現しましたら、こちらでも紹介させていただきますね。
そうなんです。^^
園庭環境は、私たち人の暮らしを支える「生態系サービス」や「生物多様性」にダイレクトに関わってきます。
また、園庭や地域環境でどういった保育を行うか、つまり子どもがどういった体験をするかは、ネイチャーポジティブに向けての「生活・消費活動における生物多様性の価値の認識と行動(一人一人の行動変容)」に関わってくるんですね。(→ 前記事参照)
次回へ続きます。
園庭研究所 石田佳織
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