〜樹木と園庭:風土にあう樹木?〜
現代では、多種多様な樹木を、ホームセンター等身近なお店で購入することができます。
そして、それぞれの樹種にはそれぞれの良さ・面白さがあります。
ですので、その土地(土や風、水の環境など)に合うかどうかはありますが、そのどれが良いとは言い切れないんですね。
また、その土地に合うかどうかは、造園の職人さんの超プロであれば、環境を観察し判断できるかもしれませんが、個体差もあるのでなかなか難しいだろうと思います。
ですので、まずは植えてみる。
そして、その環境に合う樹木が生き残っていく、という考え方が、園庭には良いだろうと思います。
その際には、環境に適応しながら育っていけるよう、苗木や若い樹木が良いかと思います。
そして、子ども達と一緒に、樹木を選ぶことから、植えること、育っていく過程、を楽しんでいただければと思います。
枯れてしまった時も、「どうして枯れたんだろう?」「元気に育つためにどうしたら良いだろう?」と子ども達と考え、学びの機会にしていただけると嬉しいです。
お散歩や食事で出会った種(たね)を植えてみるのもおすすめです。
園としては「初めから大きな木を入れて、心地よい環境にしたい」という気持ちになるかもしれませんが、
種や苗、幼木から育てていくことも是非ご検討ください。
自分たちの木を選んだり、育てていく/一緒に育っていく過程には、子どもたちの学びや心動かす場面がたくさんあることと思います。^^
大きな木を中心に植える場合も、大きな木だけでなく、苗木や若木と混ぜて植えられると、生態系の環境が安定しやすく、より良いかと思います。^^
木を種や苗、幼木から育てていく際のポイントは、
・「うまく育たなくてもOK」と、自園の環境に合った植物個体や種類を探していく(試行錯誤)していくこと。
・木の生命力に任せてみる。
です。
植物は、その土や環境に合うかどうかも重要です。売っている木であっても、どこの環境にも合うわけではありません。
個体の強さや、種類の性質によっても異なってきます。
ですので、気楽に「まずは植えてみよう」、ダメでもまた別の種類や個体を試し「試行錯誤してみよう」で育てていただければと思います。
また、生命はとてもたくましいです。
「枯れてしまったな…」と思っても翌春に根元から芽を出す、なんてことも少なくありません。
こうした生命の強さを、子ども(も大人も)、感じながら生活できると良いなぁと思います。
合わせて、植物やその他生き物が育ちやすい環境を育てていくことも重要です。
多くの園庭の土は、グランド的に作られ、砂地で、生き物の極めて少ない硬い地面の場合が多いので、以下も取り組まれると良いかと思います。
・植える場所を広め/深めに掘って、植物が育ちやすい土をしっかり入れてあげる。
:土はホームセンターや造園屋さんから園芸用を購入しても良いですし、これまでプランターで使った土だったり、地域の畑等の土を分けてもらっても良いですね。^^
・木が栄養や水を得る「土」が乾燥・貧生物しないよう、土をむき出しにしない。
:刈草をかけてあげたり、雑草が生えてきたら根からは抜かない、クローバーなど背の低い草花を植えてあげる。
その他、「土」や「土壌改良」については、これまでの記事からご覧いただけます。
・園庭の土を健全に1〜土の中の生きもののつながり〜
・園庭の土を健全に2 〜刈草や落ち葉を撒く〜
・園庭の土環境に悩んでいませんか?(大地の再生)
木に関するこれまでの記事はこちら。
・樹木と園庭:どれを選ぶ?(前記事)
・中高木・低木・かん木・草花まで、多様な植栽を
・木々+小屋
・園庭ではどのような育ちがある? 5:樹木・草花・菜園
・自然と触れ合える園庭1:多様な植栽
木々との暮らしを通して、四季折々の楽しみを感じられますように。
2024.10.29
園庭研究所 石田佳織
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これまでの園庭研ブログ記事(2012~2022)→ 心と体と学びとはぐくむ園庭づくり
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