園庭研修ご感想:認定こども園 くだま木もれびの家さん

【ご案内】 7月22日(土) 園庭研「自然の中で保育すること」オンライン講座詳細・お申込(Peatix)

〜園庭研修ご感想:認定こども園 くだま木もれびの家さん〜

山梨県にある「認定こども園くだま木もれびの家」さんで、園庭について研修をさせていただきました。

1)園庭全体での子どもの育ち
2)乳幼児と自然
3)子どもの頃の思い出インタビューゲーム
4)全国の園のご実践から見えてきた‘園庭での保育の質を高める6観点’(園庭調査研究グループ)のうち、「物理的環境」「ルール」「安全」
についてお話させてただきました。

そして、4)について少人数グループで現状や今後について話し合い、数グループから全体シェアをしていただました。

先生方から以下のようなご感想をいただきました(一部抜粋)。

・園庭はデザインによって豊かな自然体験を提供できる場である事。改善するには、環境を変えるだけでなく、子どもの目線で考えてみたり、日頃の関わり方、使い方の決め方、保護者を巻き込むなど、多様な方法で改善する方法がある事を学びました。

・「園庭はすぐに治せたり、改良できる」という言葉に園庭ならではの良さを感じました。園外で自然に触れ合う機会は比較的多いとは思ったが、園外は決められたフィールドの中で遊びになってしまう事があるのに対して、園庭は今子ども達に必要な遊びや問題を園庭を通して自分たちの手で作っていけるもの、という認識を得られた。

・砂場の遊具など市販の物だけに頼るのではなく、何か簡単に作って楽しめる物がないか日々アンテナをはり色々取り入れられたらと思う。子ども達が外遊びでどんなことに興味を示しているのかを知り、さらに一緒に外遊びを楽しんでいきたい。

・自分が普段保育をして気になっていた部分をグループワークで話してみると、他の先生達も同じような考えを持っている人や、気になっていたところを解決できそうな考えを持っている人などがいて、嬉しかったです。自分の意見を伝えてみるのも大事だなと思いました。

・花を遊びで使用したい時、“採取していいよ”とするのか、“かわいそうだから取らないで”にするのか、どうしたら良いかわからないという話をした際に、“保育士としてでななく、私はこう思う、ということを伝える”という案をいただいて、なるほどと思いました。一人の人間としての話を子どもにするのも一つの手だなと思ったので、私も活用していけたらなと思いました。

・子ども達の遊びに対しての様子を深く分析してみる事が必要だと思った。分析したところで、どんなところに遊びが行き詰まってしまっているのか、どうしたら遊び込めたりのめり込む姿が増えていくことを考えて行きたい。

・「危険」なことやものを“伝える”ことのみならず、“育てる”という長期的な視点を持って保育にあたることが必要だと思った。(「危険物差し」を育てる、という話より)

・大人目線での子どもの遊びを見てしまっていた。すぐに危険・危ないと言いかけていたような…。園庭環境に不安をもつ保護者の想いも考え、子どもの様子、遊びの中で育っている姿をどう保護者に伝えていくか安心と信頼をどうつながていくかも課題であると思う。

・子ども達が遊び込めるように考え込まれている園庭なのに、保護者にはそれがどのような遊具で、何を成長させてくれるかなどの共有が出来ていなかったと思った。(略)保護者の方にも園庭の魅力を共有できるような仕掛けだったり、保護者からの声なども拾っていき、保護者の方とも子ども達の遊び環境を作っていくことが必要だと思った。

今回は園の栄養士・調理師さんや看護師さんも参加くださいました。^^
(さまざまな立場の方が一緒に考えていく事で、多角的に園庭について考えていく事ができます)

・(栄養士・調理師さんより)生ごみを出す場なので、コンポストの理解など環境を考えた暮らしをして、子ども達に見せていきたい。給食は園庭と無関係と世間では思われるかもですが、園庭の作物、動物、生ゴミ処理と、我が園では特に深く関わりがあります。今回学んだ色々なことを意識しながら過ごしていけたらと思います。

・(栄養士・調理師さんより)子ども達だけでなく、自分にとっても居場所なので、もう少し自園のことを知ることが必要だと思った。

くだま木もれびの家さんの園庭。
面積はそれほど大きくはないのですが、園庭環境多様性指標15項目(園庭件研究グループ)のほぼ全てが取り入れられており、緑もたくさんあり、素敵な環境です。
素敵な環境でも、こうして先生方で話し合っていく中で、今の課題や “もっとこうしたら良いかも!”が出されました。これから益々楽しみですね。^^

園庭研究所 石田佳織
* * *

※ 園内研修や団体研修、園内研究支援など、いつでもお受けしています。ご希望の内容や方法に沿って構成いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

園庭研究所HP:https://enteiken.com/
これまでの園庭研ブログ記事(2012~2022):心と体と学びとはぐくむ園庭づくり